たしかめるように

たしかめるように。 絶望の淵に立ちなかを覗くと、そこには、当たり前のようにささやかな日常がありました。私は、世界にとって唯の細胞でありたい。

爪がのびた。

爪がのびた。

津屋崎に越してきて2ヶ月
怠惰なわたしは、家に爪切りが無いと知っているのにまだ買っていない。
面倒くさがりであるということが大きいけれど、「爪を切ることはそんなに頻繁ではないと思うから。」が、一応正式な理由である。


爪がのびた。

わたしの爪は、幼い頃からいつも質素に佇んでいる。
お姉さんたちの煌びやかで長い爪を見て感嘆したりもするけれど、次の瞬間、
髪が洗いにくそうだなぁ〜
おにぎりが握りにくそうだなぁ〜
どうやって鉛筆を持つんだろう...
なんて、思っちゃう。


爪がのびた。

そう思うときは、痛い思いをするくらいに爪が育ちすぎた時であることが多い。
そんな思いをしたことは今まであまりないけれど。


爪がのびた。

そういえば、津屋崎に越してきてからよく痛い思いをしているような...


爪がのびた。

「あー!生活に爪切りっち必要やん!盲点盲点。」
いつだったか、王丸屋の透さんに爪切りを借りた。
爪切りという道具が無いと意外に困る。そう初めて気がついた。
爪がのびた日のことをここまで鮮明に覚えているなんて、他に無いはず。


爪がのびた。

「いったーい。この前切ったのに、もうこんな伸びたん〜〜もう。」
親が津屋崎に来るときに、実家用の爪切りを貸してもらった。
爪が伸びる速度って、歳を重ねるごとにあがっていくのかなぁ...


爪がのびた。

いま、親指が痛い。
爪が途中からおれてしまった。
そういえば、津屋崎に来て、こんな思いをするのは三度目だ。


またのびた。

爪が伸びる速度って、歳を重ねるごとにあがっていくのかなぁ...

調べてみたけど、
そんな事実はないみたい。




あっという間に時は過ぎて
あっという間に爪はのびる。

今日切ったとしても
またすぐに、伸びてしまうのだろう。



あと何回、爪を切れるかなぁ。